*** 1 ***
気が付くと、おれはパンツ一丁でボーっと空を見上げていた。 雲一つない青空、そこかしこに椰子の木が生えており、海が近いのか潮の音が聞こえてくる。 オレの背後にはでかい城のような建物があり、すぐ近くにはスライムがのんきに散歩なんてしてやがる。
あれ?オレ、何してたんだっけ?
オレが物思いにふけっていると、回りにいたスライムがオレに気付いたのか、近づいてきやがった。
と張り切って攻撃しようとしたが、そう、おれは何も持ってなかったのよ。 ぎゃああっーー!!
服も何も着てないので、スライムの粘液で肌が焼けていく! しょうがなく、オレは背後にある建物に避難することにした。 |
*** 2 ***
建物に入ると体力がどんどん回復していく...
ふう、死ぬかと思ったぜ! えーと、確かあれは.... |
*** 3 ***
そこは狭い通路だった。 目の前に大きな扉がある。 そう、毎度エンディングを見るためだけにあの魔女をブッ倒すところだ。 さて、じゃ、今回もサクっといってみっか!
って、今回は初めからやろうとしてたんじゃねえか。なんでデータがロードされるんだよ!
あれっ?取説がねえぞっ!!
オレはあたりかまわずキーを押しながら起動してみた。シフト・CTRL・COPY... おおっ、やった、成功だ!! そして、ストーリーが流れはじめる。
で、そのまんま見続けてたら画面がフェードアウトして...
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*** 4 ***
ああ、そうだ、あのまんま見続けてたら、いつの間にかパンツ一丁で突っ立ってたんだな。 しかし、いくら最初は何も持ってないのがRPGの王道だからって、パンツ一丁で旅に出させるか、ふつー? 確かにリアリティはあるかもしれねーがよ。 こんなところでいつまでも時間をつぶしていてもしょーがねえので、取り敢えず、この建物に別の入口があったからそっちに入ってみるか...
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*** 5 ***
とりあえずすぐ近くにあった入口から城の内部へ入ってみることにした。 内部は細い通路になっており、奥にはドでかい扉がある。その前で魔法使いふうの格好をした赤毛のジジイが突っ立っている。 「よくきなさった。若者よ!剣をとって戦うのじゃ。この剣と、衣をやろう。」
と言って、「短剣」と「衣」をくれたぜ!!ラッキー!! 「なぜか、この中に入れんのじゃ。どうしてかのぅ・・・入る方法をさがし出してきてくれ。」
ジジイでもわからねぇか。ま、とりあえずの装備が手に入っただけでも収穫だ! オレは勇んで城の外へと向かった。 |
*** 6 ***
いるいる、スライムどもがうようようろついてるぜ!装備のある今、お前達はオレの敵じゃねぇ! スライムどもは、オレに攻撃を仕掛けるが、服を着てるからダメージも受けねー。ざまあみやがれってんだ!! それじゃ、こっちから攻撃しかけさせてもらうぜ!
スカッ スカッ、スカッ
なにぃ!!この短剣じゃ歯が立たねぇだぁ!? ちっ!この短剣で脅してもっとマシなもんを出させるか...ってスライムごときに歯も通らねえなまくらじゃ脅しにもならねぇよ... とりあえず、オレはスライムを倒すのを諦め、まともな剣を探すことにした... |
*** 7 ***
スタート地点の城から程なく離れた山あいに、ラフェールとかいう男がいた。 「この長剣って以外と使い道がないんだよなぁ。君にやるよ。」
おおっ、これこそオレの欲しかった剣ってやつよ!! 「あっ、そうだ北の国の洞窟に、ぼくの妹がいる。魔法の杖を、もらうといい。」
ほぉ、魔法の杖か。それがありゃ、わざわざ敵に近づかなくても簡単に殺れるな。 「がんばれよ。」 あぁ。あんま気が進まねぇがな。
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*** 8 ***
長剣を手に入れてから、周辺のスライムどもはまさしく雑魚に成り下がったぜぇ。 だが、スライムを倒して初めて気が付いたんだが、どーやらこのゲーム、敵を倒してもあんまりメリットがなさそうだ。 金も無ければ経験値もないんで、敵を倒しても体力回復の玉が出るだけだ。なんだかなぁ。 まあ、戦ってもしょーがないんで殺さずに無視して歩いてら。
そこらへんをてきとーにうろついてたら、山あいの谷にひっそりと洞窟があるのが見えてきた。
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*** 9 ***
洞窟の中はかなり狭くなっていた。しまった、こんなところで敵に出くわしたらかなりやばいぜ... 今着ている衣はスライムごときの攻撃を防げても、おそらく他の敵には通用しねーだろうし。 うーむ、何か無謀な気が... しかし、この洞窟に入らないと多分話がすすまないだろうし、困ったもんだ。 仕方なくオレは洞窟の奥へと踏み込んでいった。 これからこの洞窟のことを「無謀の洞窟」と呼ぶことにしよう(^^;
だが、さぞ強い敵が出るだろうと思ったが、出てくる連中は蜘蛛とか蝙蝠、ゾンビ・ミイラの類だ。
この洞窟で「木の盾」「レザーアーマー」が手に入ったぜ。これでよーやくいっぱしの剣士の格好になった。 一通りアイテムを集め終わったので、オレは洞窟を後にした。 |